アンティーク仕上げについて

アンティーク仕上げにはいくつかの方法があります。まずは大別して二種類です。

「その1」;実際に小傷、穴、すり減りを施す。
「その2」;傷等はつけずに、各種顔料を使い、フェイクでその状態を作る。

その1、その2とも、虫食いの穴、ハエの糞、汚れ、傷、すり減り等の風合いを作ります。
古色仕上げの手法として、Fly speck, Rock Dent, Rasping, Spatterと呼ばれるやり方です。
Fly speck(ハエの糞)を模す方法は、いくつかありますが
簡単な方法は普通のスプレー・ガン(ノズル1.3mm程度)を使って、濃いめの塗料を低圧で吹きます。ベースの着色は任意の色ですが、濃色だと汚れを施しても目立たないので、淡色の方が効果が大きいです。ここで、今までの作品を参考にいくつかのパターンをご紹介します。

【Type1】
実際に虫食い穴を開けます。さらに黒いプチプチの汚れをスプレー・ガンで施します。


【Type2】
穴や傷は施さずフェイクで、擦れや、黒いプチプチの汚れをスプレー・ガンで施します。


【Type3】
穴や傷は施さず、フェイクで、彫刻した部分やモールディングに汚れが溜まった風合いを出すために濃い色の顔料を低いところに擦り込みます。よって彫刻がないプレーンなデザインには
効果がありません。
【Type4】
 虫食い穴だけを開けます。穴には濃色の顔料は使いません。
穴の部分は使い込んでいるうちに若干の汚れがついて自然の風合いになります。

【Type5】
このテーブルは、工房で使っている19世紀イギリスのオーク材のテーブルですが
長年の傷、すり減り、汚れ、割れのオンパレードです。
もちろん手をかければこの風合いは十分に出せます。

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