Repair & Maintenance
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Making #1



Rebec(レベック)を作り始めました。
通常は、レベックのボディは、一木からの「くりぬき」なのですがこのレベックは、リュートのように7枚はぎのボールとしました。とにかく、軽い楽器をめざします。

弦長は、ヴァイオリンとほぼ同じの330mm
チューニングは、やはりヴァイオリンと同じ5度調弦で、下からd、a、eです。
仕様材料
ボディ;メープル
響板;スプルース
指板;ローズウッド(予定)







胴体(Bowl)の材料取り。メープル材;厚さ1.6mmにしました。

Making #2


図面に基づいて、リブのテンプレートを作り、これをメープル材に当ててカッターで切り出していきます。
1.6mmと薄いので、カッターで比較的簡単に切り出すことができます。


一枚ずつ、自作のベンディング・マシーン(と呼べるほどではありませんけど)で熱を加えて曲げていきます。ちなみに、ここに写っている手は、私ではありません。たまたま、アンサンブル仲間の方が遊びに来たので、サクラで「手モデル」をお願いしました。


ベニヤ板で作った定規に合うよう曲げていったところです。時間がたつと、「戻り」が出てくるので、一日くらい放置して、再度ベンディング・マシーンで加熱して調整します。

さて、ここから一寸手間のかかる作業ですが、とても重要な行程です。

「曲げ」済んだ一枚ずつのリブを修正していきます。リブを、きちんとした平面が出ている定盤、たとえば5mmガラス、工作機械の定盤とかにそっと置いて、定盤の接地面との隙間がなくなるように、削る合わせていきます。このとき、無理に押しつけたりしては意味がありません。そっと置いてみて、ピッタリ・・・・が理想です。

Making #3

リブの修正の方法です。

その1:鉋で削っていく。


その2;大きめの木工用平ヤスリで削る、


その3;定盤の上に、#100程度のサンドペーパーを敷いて、一方向に摺っていく。

このときも、押しつけるようにしないで、カーブの形を保ったまま、 そっと動かした方が
いい結果になります。リブをそっと定盤に置いてみて、隙間がなくなるまで行います。ここできちっとやっておくと、後の作業がすごく楽に進みます。


Bowlのヘッド・ブロックとエンド・ブロックです。図面の7等分下部分を、ブロックに貼り付けて整形します。


これが整形したヘッド・ブロックです。


上下のブロックを、図面通りの距離を保って、適当な棒材を仮接着します。後にこの棒は取り外します

Making #4

まず、中央に一枚目のリブをセットします。これでOKなら、膠で固定します。

一枚目が固まったら、その隣を貼っていきます。私の場合、荷造り用のクラフト・テープ

を使いました。


それぞれ、両隣を貼っていき、これで7枚全部貼り終わりました。


膠が固まって、テープを全部はがしました。はみ出した膠は、スクレーパーなどで削っておきます。


リュートと同じように、エンドブロック側に、キャップを貼り付けます。


バイオリン、ギターのように、ライナーを着けることにしました。

リュートでは、これがないものが多いのですが、今回は採用します。


ライナーの取り付け。洗濯ばさみで固定していきます。100円ショップで買った、洗濯ばさみ のブルーが、安っぽくてちょっぴり悲しいです。木製の洗濯ばさみがカッコいいかも・・・・


強度補強で、リブの矧ぎ合わせ部分に、膠で布テープを貼っていきます。リュートの場合は、必ずこの方法をとります。布テープ以外には、厚手の和紙、寒冷紗(綿素材のもの)。予算がある方には、パーチメント(羊皮紙)がお奨めです。

Making #5

次に、ボディ(Bowl)とネック(neck)の接合です。リュートのように、ダボ接ぎとしました。


このように、ダボ2本と、中央に木ねじです。



ダボを差し込んで、木ねじでひっぱり、クランプで固定します。


膠が固まったら、ボディに合わせて南京カンナ、木工ヤスリ、小刀でネックを整形します。


響板を張り込む前に、ラベルを貼っておきます。あらー、膠をもうちょっときれいにしておかない

Making #6

響板に、図面に基づいて、力木を接着します。レベックの場合、この力木は、ヴァイオリンのようなバスバーと、初期型フィドルのように、簡単な横のリブがつくのがあるようですが、今回の楽器は、横リブを採用しました。理由は、ギターでいう「アーチトップ型」にするためです。


こんな風です。


さて、いよいよ響板の張り込みです。その前の準備が「あて板」です。ベニヤ板の周囲のギザギザは、ヒモをかけるためのものです。


響板に、このように当てて、ボディーをかぶせて、ヒモでぐるぐる巻きにしていきます。接着部分に、あらかじめ十分に膠水を吸わせて、ちょっと時間を置いてからいざ、本番。一番緊張する作業です。

この写真は、ビニールひもですが、以前使ったゴムバンドが、どこに仕舞っちゃったのかいくら探しても見つかりませんでした。しょうがない、荷造りの麻ヒモにしようかと探したのですが、これも見つからず・・・やむなく、ビニールひもを使いました。案の定、膠にヒートガンを当てようとすると、ビニールひも溶けてきます。ああ〜、情けない。

Making #7


膠が固まり、響板を整形。ペグボックスを仮付けしたところ。あれ〜、ペグボックスの行程の写真がありません。撮り忘れてしまったようです。


やっと楽器らしくなってきました。

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さて次は指板の加工です。材料を探したのですが、適当な大きさの端材がみつからず、結局はおおきなローズウッドの材料から切り出すことにしました。ちょっと勇気がいります。



ローズウッドを指板用に15mm厚、テールピース用に9mmに挽き、型紙を貼り付けてスクロール・ソー(ミシンのこ)で切り出します。


スクロールソー切り出した状態


指板を適当な角材に、両面テープで貼り付けて、立ちカンナ、平ヤスリなどで加工


同じくテールピースのR加工

Making #8


指板を傾斜させて取り付けるための「ゲタ」を接着

そして指板の接着

テールピンです。材料は縞黒檀です。

そして、ペグの加工です。ペグは、弦楽器材料屋さんなどで、けっこう安く購入できます。でもやっぱり自作します。

完成したペグと、自作のペグリーマー。以前リュートを作ったとき、このリーマーを作りました。


と、ここまできました。あとは、駒(Bridge)とナットを作れば、弦が張れます。

Making #9


駒の製作です。CADで描いた図を、メープル材に貼り付けます。

ミシン鋸で切り出し。駒のテーパーの整形は、カンナと平ヤスリ、そしてベルトサンダーです。

まだまだ細かい仕上げと、塗装が残っていますが、なにしろ弦を張ってみます。


ヴァイオリンのスチール弦は、やっぱりヴァイオリンの音に鳴ってしまいます。 思い描いている、素朴な音は、弱テンションのガット弦でしか 出せないのかも知れません。
なにしろ、手持ちの弦が、ガンバ用の切れてしまったガット弦が 2種類見つかり、1弦と3弦に当て、2弦用は仕方なく、バドミントン用 のを割り当てました。 弦が太めなので、下から G,d,aのチューニングです
ガット弦は、それっぽく鳴ります。バドミントン用の弦が情けない音です。 弓は、チェロの弓で弾いてます。 中世スタイルの弓も自作しようと思い、弓毛を扱っているところを探したら
底値楽器屋
980-0812 宮城県仙台市青葉区片平1-4-6-1106
(URL) http://www.rakuten.co.jp/sokone-gakkiya/
というのを見つけ、「普及品タイプ ヴァイオリン用5本分セット ¥1,200」を発注しました。
決済は「楽天」扱いです。


さて次はいよいよ塗装の準備です。とここで、大きなミスを発見・・・・・響板のローズが一部欠けていることに気がつきました。あちこち探してみましたが見つかりません。探している時間があったら作った方が早いです。急遽この小さいピースを作ってはめ込みました。


Making #10

 

やっと、全体にわたっての素地調整です。塗料は、今回クリア・ラッカーを使うことにしました。ウッドシーラーで下塗り、素地研磨して上塗り3回です。

 

塗装も済み、弦も全てガット弦です。 ただし、はじめのチューニングの予定は、ヴァイオリンの上3本と同じEAD、でしたがガット弦のピッチ(太さ)の関係で、下3本ADGとしました。 むか〜〜し買ってあったガット弦(ガンバ用、リュート用)の切れっ端を探し回ってやっと3種類のピッチを見つけました。
どうにかADG調弦でいけそうです。
ネットで調べてみると、同じ弦長のレベックでも、EADとADGのチューニングが使われていたらしい、とのことで、自分に納得させます。 やっぱり、ガット弦の音色は、それっぽく鳴ってくれます。

塗装(クリアラッカー)が済んで、まだ一日しかたってないので、音が出きってないのが判ります。
2〜3ヶ月たつと、木も楽器としての自覚?が出て来るでしょうから、もっと鳴ってくれると思います。
そのあと、弦のピッチを考慮して、新しいガット弦を買おうと思っています。 注文していた弓毛が届きました。 いま、弓の材料とデザインを検討中です。

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