Making #1
ルネサンス・コルネット(ドイツ名ではZinkツィンク)を作ろうと思っています。
ネットでいろいろと記事を捜したのですが、制作記事は見つかりませんでした。
私が持っている本では 「木管楽器の歴史」に、テナー管(なぜか最低音Aとなっています)、トーンホールの寸法が載っています。 かろうじて、このデータから図面を描きました。
他には 「Early Music 1975 July」に、Cristopher Monk氏が、マウスピースの形状について、詳しい写真、イラスト、解説を寄稿しています。
「作り」は、本当に単純で カーブしているコルネットは、2枚の板に、内径の溝を半分ずつ掘ってから2枚合わせにして、外形を成形し、トーンホールを開けます。
自分の本を色々と読み返していたら 「The Amateur Wind Instrument Maker」という本に Curved, Straightの2本の図面が載ってました。
早速、スキャナーで読み込んで、図面を描きました。 これで、2本の図面を描いて、2本一緒に作り始めました。
図面を
ベニヤ板に張り付け、これを切り出してテンプレートを2枚作ります。
これを板に当てて、2セット分の部材を切り出します。
あとは、丹念に彫り込んでいくのみ・・・・
2枚合わせにしてから、外形を成形をします。
マウスピースを差し込む部分の口金;
「八角」もしくは「真鍮のリング」を嵌めるのですが、8角に成形するには、1mm程度の真鍮板を加工して、
継ぎ目を蝋付けするか、旋盤で「真鍮のリング」を加工するか
迷ったのですが、20mmほどの真鍮棒があったので、外径を18mm、中抜きを14mmのリングを作りました。
問題は、コルネットが湾曲しているので
、このような簡単な治具をかまして、旋盤にかけました。
一応完成しましたが、まともなマウスピースができていません。 それと、完成して初めて判ったこと。 楽器が大きくて、指穴が全部押さえられません。トホホ・・・・・
なんたることか。
チューバをやっている友人が、すぐに見に来てくれましたが、彼の場合、さらに構えられません。私より一寸だけ手が小さいんですけど。 そして、彼が普段吹いている、チューバの大型マウスピースからしたら、あまりに小さいマウスピースに愕然としていました。
楽器は、まだ組み立てていないのがもう一本あるので、こちらの方が少し短いです。 指を当ててみると、こちらの方がどうにか押さえられそうです。
マウスピースも、何個か作ってみないことには、先に進めません。 なにしろ、整音しないことには楽器になりませんので・・・・
Christopher Monk氏の公開データをもとにマウスピースを3個作ってみました。 でも、これでいいのかどうか皆目わかりません。
ちゃんと吹ける人に見て貰わないことには・・・・ でも、演奏できる人は何処に????
【製作後記】
この楽器の演奏は本当に難しいです。
一応の完成から2ヶ月ほど経っています。
最近は、20回に一度くらい、楽器らしい音が出ます。
「おお、これがコルネットの音か〜〜」と思っても
数秒後にはアンブシュアが変わってしまっていて、「ああ、さっきの音は〜〜」という具合で
少しずつ練習していこうと思っています。
時々、それなりの音階が吹けるときもあります。
コルネットと初めての出会い
今日は、リコーダー、コルネット、フルートの演奏家の及川茂さんが工房に遊びに来られました。
生のコルネットを間近で見たのも聴いたのは初めてです。
何しろ私は、見た事も聴いたこともないコルネット(ドイツ語でツィンク)を本とネット情報だけで二本作っています。
ちゃんと鳴らせないので整音もできていないのです。次回、私がこの楽器を作る際には、工房まで来て下さってアドバイスを頂ける事になりました。やっぱり、実物を聴くと感動します。私の整音してない楽器も吹いて下さったのですが、多少の音程はさておいて十分にコルネットしてました(ちょっと日本語が変!)。これでパレストリーナ、モンテベルディや初期バロックものなんかが吹けたら最高です。写真は、及川氏所有のクリストファー・モンク氏作コルネットとマウスピースです。
ルネッサンス・トレブル・コルネットの試作
この画像で、下の楽器が一般的なコルネットです。上の楽器は、コルネット・プレーヤーでもいらっしゃるO氏所有の三分割の直管コルネットです。この直管コルネットは、到底私の手では指穴が抑えきれません。そこでO氏のアイディアは、携行にも便利な、三分割で湾曲型の楽器が作れないか・・・という事で、試作の準備にかかろうと思っています。
ルネッサンス・トレブル・コルネットの試作#2
三分割コルネットの図面を起こしてみました。一番難しいところは、ジョイント部分です。カーブしてるそれぞれの管体を旋盤にかけるのに、いくつかの治具を作らなくてはいけません。まあ・・・実際やってみないと・・・・
三分割のパーツを、それぞれ旋盤加工のための図面を練りました。治具がうまく機能してくれるかがミソです。
試しに、曲がっている木の枝を、旋盤の面盤に、一方だけ芯を30mmほどずらして取り付けジョイントのオスの方がうまく削れるか試して見ました。なんとかなりそうです。芯振れでマシンに振動が出る場合、面盤に錘をつけて調整します。
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治具がうまく機能してくれるかがミソです試しに、曲がっている木の枝を、旋盤の面盤に、一方だけ芯を30mmほどずらして取り付けジョイントのオスの方がうまく削れるか試して見ました。なんとかなりそうです。芯振れでマシンに振動が出る場合、面盤に錘をつけて調整します。治具がうまく機能してくれるかがミソです
ルネッサンス・トレブル・コルネットの試作#3
三分割コルネットの内径を削ってます。うんと昔に自作した外丸の豆鉋が役に立ってます。
ルネッサンス・トレブル・コルネットの試作#4
一番難しいところは、ジョイント部分です。
カーブしてるそれぞれの管体を旋盤にかけるのに、いくつかの治具を図面通りに作ってみました。
うまく旋盤で挽けるかな〜〜〜
ルネッサンス・トレブル・コルネットの試作#5
ジョイント部分の真鍮リングの加工です。このジョイントのメスの方は、肉が薄くて心もとないので
今のうちにリングを嵌めてしまおうと思います。
真鍮丸棒から中繰りして、面取り、突っ切りバイトで切り離しの工程です
三分割ルネッサンス・コルネットの続きです。ヘッド・ジョイントとフット・ジョイントの八角の加工です。
やっと楽器らしくなってきました。
ヘッド・ジョイントに、コルネット独特の刻み模様の墨付けをしてみました。2セット分です。
試作で2セット一緒に進めると、1本目での不具合が2本目で解決できたりします。ジョイント部分に、先に真鍮リングを嵌めてから加工したことがやはり正解でした。エポキシで固めています。外形を加工する際に管体を万力に咥える時も安心です。
ルネッサンス・トレブル・コルネットの試作#6
一応、各パーツの加工が済みました。とりあえず組んでみて撮影。
これから、ウッドシーラー液(ポリウレタン系)に漬け込みます。ジップロックの袋を利用します。この素材はポリエチレンなのでラッカーシンナーでも溶解しません。浅漬け?一夜漬け?手前に見える竹の棒は、管の内側のバリ取りに使った臨時の道具で、先端に両面テープを貼りそこに丈夫な布サンドペーパーを巻いたものです。恐ろしく原始的です。次回は管内用のスクレーパーを作ります。
三分割ルネッサンス・トレブル・コルネット#7
2セット分の塗装が済んで仮組みしてみました。色は黒と茶のステインをかけています。一晩おいてから、ジョイントのオスに方にコルクを貼ります。ちなみに奧の二本は、数年前の自作品です一晩置きました。ジョイントのオスにコルクを巻く作業がどうにかうまく行きました。まったく初めての工程なので緊張しました。
これで、今後は自分のオーボエやクラシカル・フルートのメンテにも生かされるかも・・・とりあえず、茶色の方が組める状態です。接着剤がまだちょっと柔らかいので、もう一方はしばし時間を置いて加工します。今回使用したコルク材は、アマゾンの楽器関連のページから、楽器補修用、サックスのマウスピース用、というのを見つけました。大きさは幅11mmx厚さ1.5mmx長さ80mm程度の板状のものです。
今後の予定としては、この三分割コルネットの試作第2弾を検討してみます。
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